【目的別】もう迷わない！実績で選ぶ信頼のキャスティング会社と依頼のコツ

企業の広告やイベントでタレントやインフルエンサーの起用を検討する際、「どの会社に依頼すれば良いかわからない」「費用や流れが不安」といったお悩みはありませんか。本記事では、キャスティング会社の役割やメリットといった基礎知識から、失敗しない会社の選び方まで専門的な視点で分かりやすく解説します。結論として、キャスティング成功の鍵は、企画の「目的」に合った「実績」を持つ信頼できる会社を選ぶことです。広告・CM、インフルエンサー、モデルなど目的別におすすめの会社を厳選して紹介するほか、依頼の流れや費用相場も網羅しているため、この記事を読めば自社に最適なパートナーが必ず見つかります。

キャスティング会社とは 役割と依頼するメリット

キャスティング会社とは、広告、CM、イベント、Webコンテンツなどの企画において、その目的やイメージに最適なタレント、俳優、モデル、インフルエンサー、専門家などを起用したい企業（クライアント）と、候補者が所属する芸能事務所やプロダクションとを繋ぐ専門エージェントです。単に両者を引き合わせるだけでなく、企画立案の段階からクライアントのパートナーとして伴走し、候補者の提案、出演交渉、契約手続き、撮影当日のサポートまで、キャスティングに関わる全般的な業務を代行します。企業のマーケティング活動やブランディング戦略を成功に導く上で、欠かすことのできない重要な役割を担っています。

芸能事務所との違いを解説

キャスティング会社と芸能事務所は、タレントが関わる点で共通していますが、その役割や立ち位置は明確に異なります。芸能事務所は自社に所属するタレントを育成・マネジメントすることが主な業務である一方、キャスティング会社は特定の事務所に縛られず、クライアントの要望に応じてあらゆる事務所から最適な人材を探し出す「仲介・提案」の専門家です。両者の違いを理解することが、適切な依頼先を選ぶ第一歩となります。

項目	キャスティング会社	芸能事務所
役割	クライアントの要望に基づき、複数の事務所から最適なタレントを提案・交渉する仲介役	所属タレントの育成、マネジメント、スケジュール管理、仕事の獲得
立ち位置	クライアント（広告主・制作会社など）の代理人	所属タレントの代理人
提案の範囲	複数の芸能事務所やプロダクションに所属する、幅広いジャンルのタレント	原則として、自社に所属するタレント
主な取引先	広告代理店、PR会社、一般企業、映像制作会社など	テレビ局、出版社、広告代理店、キャスティング会社など

キャスティング会社を利用する3つの大きなメリット

自社で直接芸能事務所に交渉することも不可能ではありませんが、専門家であるキャスティング会社に依頼することで、時間や労力の大幅な削減はもちろん、企画の成功確率を高める多くのメリットを享受できます。ここでは、特に重要となる3つのメリットを詳しく解説します。

メリット1 企画に最適なタレントの提案を受けられる

キャスティング会社は、特定の事務所に偏ることなく、俳優、モデル、インフルエンサー、文化人、専門家まで、あらゆるジャンルの人材に関する膨大なデータベースと最新情報、そして業界内の幅広いネットワークを保有しています。そのため、企画のコンセプトやターゲット層、予算、企業ブランドのイメージなどを総合的に判断し、客観的な視点から最適な候補者を提案してくれます。自社だけでは探し出せなかったり、思いもよらなかったりするような、企画の価値を最大化する人材と出会える可能性が広がる点は、最大のメリットと言えるでしょう。

メリット2 複雑な契約や交渉を一任できる

タレントを起用する際には、出演料（ギャラ）の交渉だけでなく、肖像権の利用範囲や期間、競合タレントとの出演制限（競合排除）、SNSでの発信ルールなど、多岐にわたる専門的な契約条件を取り決める必要があります。これらの交渉や契約書の作成・確認には法的な知識と業界の慣習への深い理解が不可欠です。煩雑で専門性の高いこれらの業務をすべて専門家に一任できるため、企業の担当者は企画や制作といった本来注力すべき業務にリソースを集中させることが可能になります。

メリット3 トラブルやリスクを未然に防げる

タレントの起用には、SNSでの過去の発言による炎上リスクや、撮影当日の進行トラブル、急なスキャンダルなど、予期せぬトラブルが発生する可能性が常に伴います。キャスティング会社は、過去の豊富な実績から様々なトラブル事例を把握しており、候補者の選定段階でリスクを洗い出したり、契約内容に万が一の事態に備えた条項を盛り込んだりすることができます。経験豊富なプロが介在することで、潜在的なリスクを事前に回避し、万が一トラブルが発生した際にも迅速かつ適切に対応できる体制が整うため、安心してプロジェクトを推進できるのです。

失敗しないキャスティング会社の選び方 5つの重要ポイント

キャスティング会社は数多く存在するため、どの会社に依頼すれば良いか迷ってしまう方も少なくありません。ここでは、自社の企画を成功に導く信頼できるパートナーを見つけるために、必ず押さえておきたい5つの重要な選定ポイントを専門家の視点から詳しく解説します。

ポイント1 実績と得意なジャンルを確認する

キャスティング会社を選ぶ上で最も重要な基準となるのが、過去の実績です。豊富な実績は、業界内での信頼性や交渉力、そしてトラブル対応能力の高さを示す何よりの証拠と言えます。公式サイトの制作事例や取引先一覧を確認し、自社が依頼したい案件と近い規模やジャンルの実績があるかを必ずチェックしましょう。

また、会社によって得意なジャンルは大きく異なります。俳優やモデル、インフルエンサー、文化人、専門家、エキストラなど、自社の企画内容とキャスティング会社の強みが合致しているかを見極めることが、最適なキャスト提案を受けるための第一歩です。

確認項目	チェックするポイント
過去のキャスティング実績	どのような企業の広告・イベントを手掛けたか。具体的なタレント名や案件内容が公開されているか。
得意なタレントのジャンル	俳優、モデル、タレント、インフルエンサー、YouTuber、文化人、専門家、アスリートなど、どの分野に強みがあるか。
得意な案件の種類	テレビCM、Web広告、雑誌、イベント、プロモーション、企業ブランディングなど、自社の企画と合致するか。
企業の規模	大手企業との取引実績が豊富か、あるいはスタートアップや中小企業の案件にも柔軟に対応しているか。

ポイント2 企画の提案力と対応の柔軟性

優れたキャスティング会社は、単に依頼されたタレントをリストアップするだけではありません。企画の意図や目的、ターゲット層、ブランドイメージを深く理解した上で、「このタレントを起用すれば、こんな相乗効果が期待できる」といった付加価値のある提案をしてくれます。複数の候補者を提案する際に、それぞれの起用メリットや想定されるリスクまで具体的に説明してくれる会社は信頼できるでしょう。

また、プロジェクト進行中には、急な企画変更やスケジュールの調整がつきものです。そうした不測の事態にも臨機応変に対応し、代替案を迅速に提示してくれる柔軟性があるかどうかも、重要な見極めポイントです。初回のヒアリング時の対応やレスポンスの速さから、その会社の姿勢を判断しましょう。

ポイント3 料金体系の透明性と分かりやすさ

キャスティングにかかる費用は、タレントの出演料だけでなく、キャスティング会社に支払う手数料（キャスティングフィー）や、その他諸経費で構成されます。後々のトラブルを避けるためにも、料金体系が明確で分かりやすい会社を選ぶことが不可欠です。

見積もりを依頼する際には、何にどれくらいの費用がかかるのか、内訳が詳細に記載されているかを確認してください。例えば、キャスティングフィーがタレントの出演料の何パーセントなのか、追加料金が発生するのはどのようなケースか、といった点を事前にクリアにしておきましょう。質問に対して曖昧な回答をしたり、見積もりの内容が不透明だったりする会社は注意が必要です。

ポイント4 契約内容と権利関係の管理体制

タレントを起用する際には、肖像権の利用範囲などを定めた契約を締結します。この契約内容の管理は非常に専門的で、少しの認識違いが大きなトラブルに発展するリスクをはらんでいます。

そのため、肖像権の利用期間や使用媒体（Web、テレビ、紙媒体など）、競合排除の規定といった複雑な権利関係を適切に管理できる体制が整っているキャスティング会社を選ぶことが極めて重要です。契約書の内容を丁寧に説明し、法務的な観点からもサポートしてくれる、コンプライアンス意識の高い会社を選びましょう。過去に権利関係のトラブルがなかったかなども、可能であれば確認しておくと安心です。

ポイント5 担当者とのコミュニケーションの円滑さ

キャスティングは、企画の初期段階から撮影当日、そして契約期間の終了まで、長期にわたるプロジェクトです。その間、窓口となる担当者とのコミュニケーションは、プロジェクトの成否を左右する重要な要素となります。

こちらの意図を正確に汲み取ってくれるか、連絡や報告は迅速かつ丁寧か、業界知識は豊富かなど、担当者のスキルや人柄も重視しましょう。信頼関係を築き、二人三脚でプロジェクトを推進できるパートナーとしてふさわしい担当者かどうかを、問い合わせや打ち合わせの段階でしっかりと見極めることが、キャスティングを成功させる最後の鍵となります。

【目的別】実績が豊富な人気のキャスティング会社10選

ここでは、特定の目的やジャンルごとに豊富な実績を持つ、信頼性の高い人気のキャスティング会社を10社厳選してご紹介します。各社の特徴や強みを比較し、貴社の企画に最適なパートナーを見つけるための参考にしてください。

広告・CMに強い総合キャスティング会社

テレビCMからWeb広告まで、幅広いメディアで活躍するタレントや俳優のキャスティング実績が豊富な会社です。企画の意図を深く理解し、最適なキャストを提案する総合力が魅力です。

株式会社GOLD CAST

株式会社GOLD CASTは、5000件以上の豊富なキャスティング実績を誇る総合キャスティング会社です。タレント、俳優、モデル、インフルエンサーまで幅広いジャンルに対応しており、特に広告やCMのキャスティングで高い評価を得ています。最短即日での提案も可能なスピーディーな対応力と、オンラインオーディションシステムの導入により、効率的で円滑なキャスティングを実現します。初めてキャスティング会社を利用する企業にも、丁寧なヒアリングで最適な提案を行ってくれるため、安心して依頼できるでしょう。

得意ジャンル	タレント、俳優、モデル、お笑い芸人、インフルエンサー、文化人
主な対応領域	テレビCM、Web広告、イベント、プロモーション、カタログ、雑誌

ヒーローキャスティング株式会社

ヒーローキャスティング株式会社は、業界最大級の登録者数を誇り、年間2,000件以上のキャスティングを手掛ける大手企業です。芸能人やタレントはもちろん、YouTuberやTikTokerなどのインフルエンサー、文化人、専門家、アスリートまで、そのネットワークは多岐にわたります。日本全国に対応しており、地方でのイベントや撮影にも柔軟に対応できる体制が強みです。大規模なプロモーションからニッチな企画まで、あらゆるニーズに応える提案力を持っています。

得意ジャンル	タレント、インフルエンサー、文化人、専門家、アスリート、VTuber
主な対応領域	広告全般、PRイベント、SNSマーケティング、講演会、番組制作協力

YOU MAY Casting（株式会社 電通キャスティング アンド エンタテインメント）

YOU MAY Castingは、大手広告代理店である電通グループのキャスティング会社です。長年の実績とネットワークを活かし、国内外の著名なタレントや俳優、文化人、アーティストのキャスティングを得意としています。広告企画の深い理解に基づいた戦略的なキャスティング提案が最大の強みであり、企業のブランディングに大きく貢献します。大規模なキャンペーンやグローバルな展開を視野に入れた企画において、特に頼りになる存在です。

得意ジャンル	俳優、タレント、モデル、アーティスト、文化人、アスリート
主な対応領域	テレビCM、グラフィック広告、デジタル広告、グローバルキャンペーン

インフルエンサーマーケティングが得意な会社

SNSの特性を熟知し、商品の魅力を効果的に伝えられるインフルエンサーを起用したい場合におすすめの会社です。データに基づいた分析力と、クリエイターとの強固な関係性が特徴です。

株式会社Find Model

株式会社Find Modelは、SNSマーケティングに特化したインフルエンサーキャスティング会社です。Instagram、YouTube、TikTokなど、各プラットフォームの特性を深く理解し、企業の商材やターゲット層に最適なインフルエンサーをデータに基づいて提案します。企画立案から投稿内容のディレクション、効果測定までを一気通貫でサポートしてくれるため、インフルエンサーマーケティングの知見がない企業でも安心して任せることができます。

得意ジャンル	インスタグラマー、YouTuber、TikToker、各種SNSインフルエンサー
主な対応領域	SNSプロモーション、ライブコマース、ギフティング、イベント招待

株式会社クロスアイ

株式会社クロスアイは、特にYouTuberのキャスティングに強みを持つ会社です。ゲーム実況者から美容系、エンタメ系まで、多様なジャンルのYouTuberとの豊富なリレーションを構築しています。タイアップ動画の企画・制作からチャンネルコンサルティングまで、YouTubeマーケティングに関する幅広いサービスを提供しているのが特徴です。動画を通じて商品の魅力を深く伝えたい、エンゲージメントの高いプロモーションを実施したい企業に適しています。

得意ジャンル	YouTuber、TikToker、インスタグラマー
主な対応領域	YouTubeタイアップ動画制作、SNSキャンペーン、イベント出演

株式会社TORIHADA

株式会社TORIHADAは、TikTokを中心としたショートムービー領域に特化したマーケティングカンパニーです。TikTokクリエイターの事務所も運営しており、クリエイターとの深い関係性を活かしたキャスティングが可能です。トレンドを捉えた企画力と、ショートムービーならではのクリエイティブ制作力に定評があります。若年層をターゲットにしたバイラルなコンテンツを生み出したい場合に、最適なパートナーとなるでしょう。

得意ジャンル	TikToker、ショートムービークリエイター
主な対応領域	TikTokプロモーション、ショートムービー制作、SNSアカウント運用

モデル・エキストラのキャスティングに特化した会社

ファッションショーや雑誌、カタログ、CMなどで活躍するモデルや、映像作品にリアリティを与えるエキストラのキャスティングに強みを持つ会社です。大規模な撮影にも対応できる動員力が求められます。

株式会社エイスリー

株式会社エイスリーは、「総合キャスティング」を掲げ、タレントから専門家まで幅広いジャンルに対応していますが、特にモデルや俳優のキャスティングで豊富な実績を持っています。広告、映像作品、イベントなど、媒体を問わず企画のコンセプトに合致した人材を的確に提案する力が高く評価されています。多様なニーズにワンストップで応えられる対応力の高さが魅力です。

得意ジャンル	モデル、俳優、タレント、インフルエンサー、専門家
主な対応領域	広告全般、雑誌、カタログ、映像作品、イベント

株式会社SKY CORPORATION

株式会社SKY CORPORATIONは、モデル、俳優、エキストラのキャスティングを専門とする会社です。特に、ドラマや映画、CMなどにおけるエキストラのキャスティングでは業界内で高い信頼を得ています。数名規模から1,000名を超える大規模な撮影まで、あらゆる動員に対応できる組織力と管理体制が強みです。撮影現場での円滑な進行をサポートするノウハウも豊富に蓄積しています。

得意ジャンル	エキストラ、モデル、俳優、子役、シニアモデル
主な対応領域	映画、ドラマ、テレビCM、ミュージックビデオ、再現VTR

文化人・専門家のキャスティングに強みを持つ会社

講演会やセミナー、コメンテーター、書籍監修など、専門的な知見や権威性が求められる場合に頼りになる会社です。各分野の第一人者との独自のネットワークが強みとなります。

株式会社コーエージェント

株式会社コーエージェントは、文化人、学者、評論家、医師、弁護士といった専門家のキャスティングに特化しています。講演会やセミナーの講師、メディア出演、広告の監修など、専門知識を活かした企画に最適な人材を提案します。企画の趣旨やテーマに合わせて、最も説得力のあるメッセージを発信できる専門家をコーディネートするノウハウに長けています。

得意ジャンル	文化人、学者、評論家、医師、弁護士、経営者、アスリート
主な対応領域	講演会、セミナー、シンポジウム、メディア出演、広告監修、執筆

株式会社プロフェッショナル・ネットワーク

株式会社プロフェッショナル・ネットワークは、経済、経営、国際情勢、医療、スポーツなど、あらゆる分野の専門家や文化人、アスリートが登録するキャスティング会社です。企業の課題解決や人材育成を目的とした講演会・研修の講師派遣で特に高い実績を誇ります。企業のニーズを深くヒアリングし、テーマに最適な講師を提案することで、満足度の高いイベント実施をサポートします。

得意ジャンル	経営者、コンサルタント、学者、ジャーナリスト、アスリート
主な対応領域	講演会、企業研修、セミナー、フォーラム、広告キャラクター

キャスティング会社への依頼から契約までの流れ

キャスティング会社への依頼は、明確なステップを踏むことでスムーズに進行します。初めて依頼する企業の担当者様でも安心して進められるよう、問い合わせから契約、そして当日のサポートまでの一連の流れを4つのステップに分けて具体的に解説します。全体の流れを把握することで、企画成功の確度を高めましょう。

STEP1 問い合わせとヒアリング

キャスティングの第一歩は、依頼したいキャスティング会社への問い合わせから始まります。公式サイトのフォームや電話で連絡を取り、まずは企画の概要を伝えます。その後、担当者との間で詳細なヒアリング（オリエンテーション）が行われます。このヒアリングは、企画の意図やイメージを正確に共有し、最適なキャスト提案を受けるための非常に重要なプロセスです。曖昧な情報を伝えると、後の提案内容にズレが生じる可能性があるため、事前に情報を整理しておくことが成功の鍵となります。

ヒアリングでは、主に以下のような情報を共有します。

確認項目	伝えるべき内容の詳細
企画内容	広告、イベント、番組、Webコンテンツなど、企画の目的、ターゲット層、コンセプトなどを具体的に伝えます。企画書があれば共有するのが最も効率的です。
キャストのイメージ	起用したいタレントの具体的な名前、もしくは「20代のフレッシュな女優」「説得力のある文化人」といった人物像のイメージを伝えます。
予算	キャストに支払う出演料（ギャラ）だけでなく、キャスティング会社への手数料も含めた全体の予算感を正直に伝えます。予算に応じて提案内容が変わるため、重要な情報です。
媒体と期間	テレビCM、Web広告、SNS、交通広告など、制作物を展開する媒体と、その掲載・放映期間を明確に伝えます。肖像権の範囲に関わるため、極めて重要です。
スケジュール	撮影やイベントの実施予定日、情報解禁日など、プロジェクト全体のスケジュールを共有します。タレントのスケジュール確保に直結します。
競合の有無	キャストが契約期間中に、同業他社の広告などに出演できないようにする「競合規定」の有無や、その範囲について伝えます。

STEP2 候補者の提案とオーディション

ヒアリングで共有した情報をもとに、キャスティング会社が企画に最適なキャスト候補をリストアップし、提案してくれます。提案時には、候補者のプロフィールや過去の出演実績、おおよその出演料の目安などが記載された資料が提示されるのが一般的です。複数の候補者を比較検討し、企画のイメージに最も合う人物を絞り込んでいきます。

候補者が絞り込めたら、必要に応じてオーディションを実施します。オーディションは、書類選考だけで完結する場合もあれば、オンラインや対面で演技力や人柄、企画との相性を直接確認する場合もあります。オーディションの目的は、単にスキルを見るだけでなく、プロジェクトを共に進めるパートナーとしてふさわしいかを見極める場でもあります。キャスティング会社は、このオーディションの日程調整や会場手配、当日の進行などもサポートしてくれます。

STEP3 出演交渉と契約条件の調整

起用したいキャストが決定したら、キャスティング会社を通じて所属事務所との間で具体的な出演交渉に入ります。この交渉は、専門的な知識と経験が求められるため、キャスティング会社が依頼主企業に代わってすべて行います。主な交渉・調整事項は以下の通りです。

• 出演料（ギャランティ）の交渉：予算内で最適な条件を引き出せるよう交渉します。
• 契約期間と肖像利用の範囲：広告の掲出期間や、Webサイト、SNS、印刷物など、どの媒体でどのくらいの期間、肖像を使用できるかを細かく定義します。
• 競合規定の確認：キャストが契約期間中に競合他社の広告に出演しないよう、その範囲と期間を明確にします。
• 撮影・稼働スケジュールの調整：タレントのスケジュールを押さえ、撮影やリハーサル、拘束時間などの詳細を調整します。

特に、肖像権の利用範囲（二次利用の可否など）や競合に関する取り決めは、後々のトラブルを避けるために最も重要な確認事項です。これらの複雑でデリケートな交渉をプロに一任できることは、キャスティング会社を利用する大きなメリットと言えるでしょう。

STEP4 契約締結と当日のサポート

すべての条件について双方の合意が取れたら、正式な契約を締結します。キャスティング会社が契約書（出演承諾書など）の草案を作成し、内容に法的な問題がないか、依頼主と所属事務所双方の意向が正確に反映されているかを確認した上で、契約を取り交わします。

契約締結後もキャスティング会社の役割は終わりません。撮影やイベント当日には、担当者が現場に立ち会い、様々なサポートを行います。具体的には、キャストの送迎や楽屋のケア、現場での進行管理の補助、依頼主とキャスト間の円滑なコミュニケーションの橋渡しなどです。当日の予期せぬトラブルにも迅速に対応し、キャストが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることで、企画の成功を最後まで力強く後押ししてくれます。

キャスティング依頼を成功させるコツと費用相場

キャスティング会社への依頼を成功に導くためには、事前の準備と費用に関する正しい理解が不可欠です。ここでは、円滑なコミュニケーションと適正な予算設定のために、依頼前に整理しておくべき情報と、キャスティング費用の内訳や相場観について詳しく解説します。

依頼前に準備しておくべき情報

キャスティング会社へ問い合わせる前に、企画内容を具体的に整理しておくことで、その後の提案や交渉が格段にスムーズになります。ミスマッチを防ぎ、企画の意図を正確に伝えるために、最低限以下の情報をまとめておきましょう。

• 企画概要・目的
  広告（テレビCM、Web動画、グラフィック）、イベント出演、SNSキャンペーンなど、キャスティングの目的と媒体を明確に伝えます。どのような企画で、誰に何を伝えたいのか、そのゴールを共有することが最も重要です。
• ターゲット層
  商品やサービスのターゲットとなる顧客層（年齢、性別、興味関心など）を具体的に設定します。ターゲットが明確であるほど、キャスティング会社は最適な候補者を提案しやすくなります。
• 希望するタレントのイメージ
  「〇〇さんのような雰囲気の方」といった具体的な名前や、「誠実なイメージの30代俳優」「トレンドに敏感な20代女性モデル」など、求める人物像を伝えます。なぜそのイメージが企画に適しているのか、理由も添えるとより的確な提案が期待できます。
• 予算
  広告制作費全体のうち、キャスティングに割ける予算の上限を提示します。予算に応じて提案可能なタレントの幅が決まるため、正直に伝えることが重要です。難しい場合は、概算の金額でも構いません。
• スケジュール
  撮影やイベントの実施予定日、広告の公開期間、契約希望期間などを具体的に伝えます。タレントのスケジュール確保に直結する重要な情報です。
• 競合条件
  広告の場合、同業他社の広告に一定期間出演できなくなる「競合」の取り決めが必要です。対象となる企業や業界の範囲をあらかじめ設定しておきましょう。

キャスティング費用の内訳と相場観

キャスティング費用は、起用するタレントの知名度や影響力だけでなく、契約内容によって大きく変動します。費用の内訳を正しく理解し、企画に合わせた予算を組むことが成功の鍵となります。

キャスティング費用の主な内訳

一般的に、キャスティング費用は以下の要素で構成されています。提示された見積もりがどの範囲までをカバーしているのか、事前に確認することが大切です。

項目	内容
出演料（ギャランティ）	タレント本人の稼働に対する報酬です。撮影やイベント当日の拘束時間、稼働内容によって変動します。
契約料（肖像権使用料）	制作した広告物（動画、画像など）を使用する権利への対価です。使用する媒体（テレビ、Web、SNSなど）の範囲や、使用期間（1年間、半年など）によって金額が大きく変わります。
キャスティング会社手数料	キャスティング会社への手数料（ディレクションフィー）です。候補者のリストアップ、交渉、契約手続き、当日のアテンドなど、業務全般に対する費用となります。
その他諸経費	撮影当日の交通費、宿泊費、ヘアメイク・スタイリスト代、カメラマン代、スタジオ代など、付随して発生する費用です。これらが費用に含まれているか、別途必要なのかを確認しましょう。

【タレント別】キャスティング費用の相場観

起用するタレントのジャンルや知名度によって、費用は大きく異なります。以下はあくまで一般的な目安であり、実際の金額は個別の交渉によって決定されます。

タレントの種類	費用相場（年間契約の場合）	主な特徴・用途
著名俳優・タレント	3,000万円～数億円	テレビCMや大規模なキャンペーンなど、高い知名度と影響力を活かしたプロモーションに適しています。
人気モデル・文化人	500万円～3,000万円	ファッションブランドや化粧品、専門性が求められる商材の広告塔として説得力を持ちます。
インフルエンサー（フォロワー100万人以上）	300万円～1,500万円	SNSを中心としたデジタルマーケティングで絶大な影響力を発揮します。若年層へのアプローチに有効です。
インフルエンサー（フォロワー10万人以上）	50万円～300万円	特定のコミュニティに強い影響力を持ち、エンゲージメントの高いPRが期待できます。
読者モデル・サロンモデル	10万円～100万円	Webサイトのイメージモデルや、親近感を重視する小規模な広告、SNSでの活用に適しています。
エキストラ	1日あたり1万円～3万円	CMやドラマの背景、イベントの盛り上げ役として複数名単位で依頼することが一般的です。

上記はあくまで目安です。最終的な費用は、契約期間、媒体、競合の有無、稼働内容といった諸条件を総合的に判断して決定されます。まずはキャスティング会社に企画内容と予算感を相談し、最適なプランの提案を受けることをお勧めします。

まとめ

本記事では、キャスティング会社の役割やメリット、失敗しないための選び方、そして目的別におすすめの会社まで、網羅的に解説しました。キャスティング会社は、単にタレントをリストアップするだけでなく、企画の意図を深く理解し、最適な人材を提案してくれる専門家集団です。複雑な出演交渉や契約管理、権利関係の調整といった煩雑な業務を一任できるため、依頼者は企画そのものに集中できるという大きなメリットがあります。

信頼できる一社を選ぶためには、「実績と得意ジャンル」「企画提案力」「料金体系の透明性」「契約管理体制」「担当者との相性」という5つのポイントを総合的に見極めることが重要です。自社の目的や予算、企画の特性を明確にした上で、複数の会社を比較検討することが成功への近道と言えるでしょう。

この記事でご紹介した選び方のポイントや依頼のコツを参考に、ぜひ貴社のプロジェクトを成功に導く最適なパートナーを見つけてください。信頼できるキャスティング会社との連携は、企画の効果を最大化し、予期せぬトラブルを未然に防ぐための最も確実な方法です。

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